先週の木曜日、それは静かに始まりました。
私のベッドの上の掃除をしていた人が、
「あれ?アザラシ、どこ行った?」
と言い出しました。
「帰ってこないの・・・・・どっかにいるのかな?」
そのアザラシとは、10年ほど前からベッドの上にいるぬいぐるみ。
アザラシの他に、デイジーにピンクのブタ、そしてデカすぎるコバトンがベッドの上の住人。
その住人たちに囲まれて、毎日寝ている私です。
が、1月の非常事態で離ればなれになってしまいました。
どこにいるのかもわからないまま、3号棟へ連れていかれて・・・・・・。
やっと自分の部屋で落ち着いてみると、なんかさみしい・・・・・。
いるのは、コバトンだけ。
コバトンは名前を背負っているので間違いようがない。
「そのうち、帰って来るだろう・・・・・」と思っていると、2~3日後にブタが帰って来ました。
それを見たひとが
「やっと帰ったか!それ、4号棟にいたんだよ!」
と教えてくれました。
「ねえ、デイジー、いない?帰って来ないんだよね!」
「デイジー?(しょうがないなぁ~)探してくるよ!」
と消えて行ったKさん。
しばらくすると、
「お届け物で~す!」
とKさんではない人が届けてくれました。
「どこにいた?」
「洗濯室に忘れられてた・・・みたいよ」
気のせいか、きれいになって帰ってきたデイジー。
これであとは、アザラシだけ。
他のは帰って来たのに、なかなか帰って来ない!
言った方がいいけど私がこだわっているように思われても・・・・・と思い、言いそびれていました。
「今、持ってくる・・・・」と部屋を出て行ってわずか5分後、アザラシを抱えて戻って来ました。
「どこにいたの?」
「Yさんのとこ(部屋)」
「なんで?Yさん?」
「Yさんが入所当時から大事にしてるやつ・・・・・って、いうことになってた・・・・みたいよ」
「誰も気がつかなかったの?」
「みんなその話を信じてた」
「なにそれ?」
「みんな、見てないんだよね!」
無事に戻って来たアザラシ君でした。
その後、
「やっぱりね・・・・、あっ、ほつれてたところ、塗っておいたからね!」
わざわざ(部屋をのぞいて)アピールするKさんに、
「さすが!!ありがとう」
と心からお礼をいうPINKCATでした。
今後行方不明にならないように写真を撮り、アザラシのお腹に名前を書きました。
私が突然隔離されてから約4週間、その間、いろんな部屋を転々とした私。
そして解放され(3号棟に閉じ込められ)てから約1週間がたった先週の木曜日、隔離区域もなくなって、私を含め5号棟の利用者全員が自分の部屋に戻ることができました。
ほとんど部屋は荷物などはそのままだったため、本人の移動のみで済んだようです。
が、私の部屋は(期間中)違う用途で使われていたため(私の)荷物がすべて廊下に廊下出されていました。
それをわかっていたのに、部屋に入ってなんにもない!びっくりしてしまいました。
「な~にもないんだ!」と思っていると、
「どいて!どいて!部屋の中にいないのっ!」
タンスに机、ベッド・・・・・を運ぶ人たちに追い出された私でした。
廊下にいると、「廊下にいちゃいけないんだよ!」(まだ全員居室待機)とわざと言われ、中に入ると「出てけ!」のくりかえし・・・・・。
私が思っていたより、大掛かりな引っ越しのようになってしまいました。
電化製品の配線等が終わると、作業していた3~4人いた人たちは去っていきました。
が、今度は細々した片付け。
必要な物だけ出して使っていた約1か月、タンスの中までぐちゃぐちゃ。
なんとか落ち着くまでに1時間以上かかってしまいました。
やっと終わったと思い、PCを立ち上げたらネットに繫がらない!ちょうどいたPCが詳しい人に見てもらうと、配線が間違っていたようでした。
それを直してもらい、私の部屋は何もかもが元通りになりました。
それでもまだ部屋からは、出られない!!
新光苑が元通りになるまでには、もうしばらくかかるようです。
ご無沙汰しております。
約1か月(6週間)ぶりの更新です。
よくネットをみる方はご存知だと思いますが、新光苑が有名になってしまったようです。
私もその中の一人になってしまいました。
自分では「陰性」と思っていたので、
「まさか!なにかの間違い!」
と大声で叫びたかったです。
が、どうやら間違いではないらしく、そのまま閉じ込められてしまいました。
自覚症状がなく、すぐ解放されると思っていた甘い考えだった私。
「元気(?)なのに・・・・・」
と思いながら、閉じ込められていました。
ふつうなら1週間ほどで解放されるのに・・・・・、今回は何かが違う。
テレビでも毎日同じニュース。
「私は(自分では)ホント陽性なの?」
と疑いたくなるようなニュースに、
「(私は)もう出る!」
と言い続けた毎日でした。
そのたびに、
「出られるわけないでしょ?(出たら)テロだよ!」
と言われ・・・・・、4週間。
閉じ込められている部屋以外の状況が全く分からないため、
「もしかして(閉じ込められているのは)私だけなんじゃないか?」
「私以外、いつもと同じ毎日なんじゃないか・・・・・?」
そんなことあるわけないのに・・・・・、
そして、先週水曜日にやっと解放されました。
解放されたものの、棟が変わっただけで(今までとほとんど変わらず)閉じ込められています。
しかし大きく違うのは、PCを与えてもらったこと。
でも・・・・・、それは「しばらくこの状態なのか?」・・・・・。
そんな中でも、徐々に元に戻る気配も感じられます。
先週の土曜日(一昨日)からおやつが再開。
私は昨日、久しぶりのケーキをいただくことができました。
1か月間、甘いものを食べることができなかっただけで「(甘いものに)飢えてる・・・・・」と感じてしまいました。
久しぶりのケーキは、何よりもおいしかった!
さ~て、5号棟に帰るのはいつなの?
あけまして
おめでとう
ございます
2021年も『PINKCATタイムズ』を
よろしくお願いいたします
先週木曜日、大晦日の午後。
Ⅱ課の食堂にて、『ヘルマンハープ』の演奏会がありました。
その2~3週間前のある日。
お風呂のためホール棟に行くとデイ(生活介護)の方から、聞きなれないでもきれいな音楽が聞こえてきました。
それは、『さくらさくら』のメロディー。
「どこ(から聞こえてくるんだろう)?」
あたりを見回すと、見慣れない楽器を弾く職員の姿がありました。
その音色に引き寄せられるように聞き入ってしまった私。
後日、そのことを耳にしたNさんが演奏してくれることになりました。
Ⅱ課の利用者中心に10人以上が集まり、演奏が始まりました。
『星に願いを』や『天空の城ラピュタ』など聞き慣れている曲のはずなのに、全然違う曲のように聞こえてとても新鮮でした。
「ハープ弾けるなんて・・・・・スゴ~い!」
の言葉に、
「独学!誰でも弾ける」
とハープを見せてくれました。
弦と板の間に楽譜を挟んで楽譜のとおりに弦を弾けばいいとのこと。
「弾いてみて・・・・」と言われた人が初めてにもかかわらず、『星に願いを』を弾き本人も周りもびっくり!
私も
「(弾いて)いいよ」
と言われましたが、指がいうことを聞いてくれず・・・・・断念!
その後も『アメージンググレイス』や『故郷』・『ハイホー』などいろんな曲を聞くことができました。
1時間弱の短い時間でしたが、普段は聞くことのできないハープを聞くことができたいつもとは違う大晦日でした。
2か月ほど前のある日のお昼、食堂のテレビを見て私は、
「あれが食べた~い!」
とたまたまそばにいた栄養士のNさんに訴えました。
私が「食べた~い!」と訴えたもの、それは『クロックムッシュ』。
パンの上の卵が美味しそうで、よだれが(いつも)出てしまいました。
「わかったなんとか(給食で出せるように)考えるから(待って)・・・・・」
そうは言ったものの、頭を抱えてしまったらしいことを後聞きました。
「(変なこと)訴えちゃったかな?・・・・・・」とちょっと反省しかけましたが、
「食べたいものは食べた~い!」開き直る私。
2週間ほどしてNさんが
「あれ、出前のメニューにしてもらったからね!」
と報告してきました。
それを聞いて楽しみに待っていると、12月の出前のメニューが(11月に)掲示されました。
そこには私のリクエストとはちょっと違うものでしたが、マリオンクレープ(ツナチーズroチリチキン)&めっちゃバナナ・・・・・と書いてありました。
もちろん、それを頼むつもりだったのですが、そういう時にかぎって、ドリア&チーズケーキに、カツカレーと私の好きな物ばかり。
悩んだ末、ドリアやカレーはまた(出前で)食べられる・・・・・・。
クレープは二度とないかも知れない!
それに私が「食べた~い!」と言った以上頼まないわけにはいかない!
頼んだものの「私以外誰もいなかったら・・・・・」と不安にもなりました。
係りの人に
「(クレープ)頼んだ人いる?」
と恐る恐る聞いてみると、
「けっこういるよ」
「私だけだったらど~しようかと思った」
「(頼んだ人が)1人でも買ってくるよ!」
の一言で、ホッと一安心。
それから約1か月後の今月16日、待ちに待った出前の日。
届いたものを見て、ちょっとびっくり!
「えっ?これだけ?」
と思っているうちに、あっという間になくなってしまったクレープでした。
ツナチーズを頼んだ私ですが、
「2つ食べられたな」
と思ってしまいました。(どっちか1つしか頼めない)
そしてもうひとつのお楽しみの、めっちゃバナナ。
今巷では、バナナジュースがブームらしい。バナナジュースなんてまずいわけがない。
思っていた以上のドロドロさで、頼んだ人の中にはストローでは飲めないほどでした。
「P、飲めるかな?」
と言われるそばから、あまりのおいしさにグイグイ一気飲み。
もちろん、細いストローで・・・・・・。
「恐ろしい吸引力・・・・・・」
と自分で笑ってしまいました。
「あ~、おいしかった~!」
今年も1年間、『PINKCATタイムズ』をご愛読いただきありがとうございました。
おかげさまで、今年は初めて一度も休むことなく書くことができました。
来年も今年同様に書くつもりですので、よろしくお願いいたします。